薬で症状を和らげる薬物療法

薬物療法の特徴と用いられる薬について

うつ病の治療は時間がかかるもので、少し症状が良くなっただけで治ったと判断してはいけません。症状には波があり、調子が良い時と悪い時の差が大きくなることもあります。たとえ一度完治したとしても、再発しやすいのがうつ病の特徴です。うつ病は脳の働きに異常が出ることで発症するため、自分の力だけで症状をコントロールするのは困難です。特に、症状が重い場合は心身ともに動けなくなることもあるため、薬によって和らげる必要があります。 うつ病で用いられる主な薬は、抗うつ薬が挙げられます。感情に作用する神経伝達物を正常な量に戻して、脳内の環境を整えるのです。また、うつ病患者の多くは不眠症も抱えているため、睡眠薬を併用することもあります。

薬物療法の注意点と並行して行うべきこと

薬物療法はうつ病治療において必要不可欠です。しかし、薬に頼り続けると様々な影響を及ぼす可能性もあります。例えば副作用です。口の中が異常に渇いたり、目がかすんだり、めまいを起こすこともあります。副作用が重いと、食欲の低下やけいれんなどを起こす危険性もあります。また、薬を飲む量を自分で変えてしまう患者も少なくありません。特に、抗うつ薬は効果が出るまでに時間を要しますが、薬が効いていないと勘違いして多く服用するケースがあるのです。薬は用法用量を必ず守りましょう。

薬に頼りすぎないためには、休養やカウンセリングも必要になります。特に、休養はうつ病治療の基本です。心身ともにしっかりと休んで、薬で適度にコントロールしていきましょう。